フォーン・ブース

フォーン・ブース [DVD]

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すべてはニューヨーク・ブロードウェイの電話ボックスから始まった。口先だけで世間を渡ってきたヤリ手のメディア・コンサルタント、スチュは、コール音が鳴り響く電話ボックスの電話を思わず取ってしまった。その相手は「電話を切ったらお前の命はない」と告げる。彼の胸には赤外線の標的マーク。一体なぜ自分が標的になっているのか訳も分からぬまま、彼は電話ボックスから一歩も出ることが出来なくなってしまった。そして、街の喧騒を凍り付かせる一発の銃声が轟いた。倒れる通行人、犯人に祭り上げられるスチュ……。警察、マスコミ、妻、そして愛人まで登場する中、スチュの選んだ結末とは? そして、犯人は一体何者なのか──?

先日見た崖っぷちの男がまずまず良かったのでもう一本シチュエーション煮詰まり系の映画を見てみようとこのフォーン・ブースを鑑賞。まず良かった点から行くと主演のコリン・ファレルの見かけや態度を飾ってるだけのチャラ~い感じが雰囲気出てましたね。電話で脅迫されてからの熱演が素晴らしく虚飾が剥げ落ちて惨めになっていく様は鬼気迫るものもありました。さらに虚飾が剥げ落ちた結果逆に人間的に成長してしまう、というドラマ展開はなかなか興味深かったです。電話ボックスから出られない電話を切れないという普通起こり得ない状況作りがまず巧みだったし固まったシチュエーションであとは犯人と会話するというだけで80分持つのはコリン・ファレル有りきだなあ。んでまあこの作品も期待通りどんどん煮詰まっていくわけなんですけどあんまりサスペンスが盛り上がっていかず膠着しているだけ、に見えてしまうのが問題。全編チャカチャカした編集とカット割りでどうも落ち着かずかえって平板になってるんですよ。ハラハラする前に演出でテンション上げすぎるので見ている方は逆に安心してしまうというか。急いで慌てているのは主役だけで演出は淡々としているぐらいの温度差があった方が危機感が出たように思います。あと冒頭のあたり、主人公がチャラいのはわかるけども初っぱなからチャラチャラさせすぎでしたな。始めから虚飾の男というのが見ている側にもバレバレなので後半メッキが剥げていくあたりがあんまりスリリングじゃない。で、あとはラストですね。はっきりした解決をせず不条理なところに着地させるのはいいんですけどいかにもほれ、どうだ不気味だろみたいな演出されるとなあー。白々しくって萎えてしまうのよなあ。あれさり気なくやってくれたらかなりゾッとする終わり方と違うんかな?ということでまとめると内容自体は面白いんだけれど演出過剰でかなりのマイナスになっちゃったという印象です。

崖っぷちの男 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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