読むのが怖い!Z―日本一わがままなブックガイド

『ゴールデンスランバー』『ミレニアム』から『小暮写眞館』『ジェノサイド』まで。書評界のトップランナーふたりが、2008年から2012年までの全169冊を徹底解説。

ここんところこの本で扱っているようないわゆる一般小説をあまり読まなくなったので読んでいる本が数冊しかなく、あれそんなに良かったけ?とか逆にそんなにけなさんでも、みたいな読み方ができんのだなあ。にしてもこの本が楽しいのはよくできた書評集というものはそれだけでも完結した読み物として読み応えがあるということ。北上、大森両氏がしっかりした独自の評価軸をもっているので一つの本に対する書評でも多角的に読めること、などがあります。そういう基本の部分がちゃんとしている上に二人の意見がぶつかり合う様が可笑しい。北上氏はあとがきで真面目でふざけたことはない、とぼやいてますがだからこそ出る可笑しみであって書評漫才というサブタイトルはぜんぜん間違ってないと思いますよ。3冊目のこの本には書評漫才とは書いてないですけど。それより大森氏のあとがきでマジギレしそうになることもしばしばというのに驚き。のらりくらりと北上氏の頑固さを受け流しているようにみえるんだけどなー。ま、お互いが真剣だから面白いわけでしょうね。本の紹介の仕方もたいへん面白そうなのでこれで読みたい本がまた増えました。なかなか積読本が消化できないのに読みたい本が増えていくというのも私には困った状態ではありますが。


読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編

読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編