レイ・ブラッドベリが亡くなりましたね…。

作家レイ・ブラッドベリ氏が、6月5日に91歳で亡くなっていたことが分かりました。レイ・ブラッドベリ (Ray Bradbury) は1920年8月22日生まれ。出版社によると、長い闘病の末に米ロサンゼルスで亡くなったとのこと。

作家としては1940年代から活躍し、代表作は『華氏451度』や『火星年代記』、『何かが道をやってくる』など長編・短編共に多数。緻密な科学考証やビジョンというよりは幻想文学よりの叙情的な作風で、日本でも多数の著作が翻訳出版されてきた巨匠です。

やはり火星年代記が代表作、ということになるんでしょうが私はどちらかというとSF、ファンタジーよりも怪奇小説的な作品群が好きでした。いや火星年代記もたいへん好きな作品でありますよ。

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)


とうに夜半を過ぎて (河出文庫)

とうに夜半を過ぎて (河出文庫)


個人的にはこの2つの短篇集に思い入れがあります。うーんどっちも新版になってカバーイラスト変わちゃってますね。10月はたそがれの国は前の不気味なようでいて哀愁ある絵が良かったし、とうに夜半をすぎては集英社文庫版の落田洋子イラストが情緒あったなあ。これだから本は捨てられない。
火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)

火星年代記 (ハヤカワ文庫SF)


今刊行されてる火星年代記は改訂新版らしい。どう変わったのか知らんけど昔の思い出はそのままにしておきたいので読むのが怖い。旧版持ってるからそれ読めばいい話ではあるけれど。
華氏451 [DVD]

華氏451 [DVD]


華氏451度は本も読みましたが映画の方が印象が強い。こういう物静かなトーンのSF映画は初めてだったし深夜のTV放映だったので不思議な気持ちになった。
ブラッドベリは中学生の頃深夜にやたら読んだ記憶があります。高校受験という現実を前にして幻想と怪奇に満ちた作品群は精神的逃げ場所でもありました。

ご冥福をお祈りします。