崖っぷちの男

崖っぷちの男 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

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ニューヨーク、マディソン街に建つ歴史あるルーズベルト・ホテルの21階。客室の窓外に突如姿を現し、自身の身の潔白を訴え飛び降りようとしている男。落ちたら即死間違いないホテル高層階壁面の<崖っぷち>に立つ男にNYじゅうの耳目が集まっていた―。ところが、この裏で、彼が密かに進める壮大な「計画」が進行していた! !

地味なサスペンスかと思ってみたらぜんぜん違いましたね。もちろんシチュエーションが煮詰まっていく展開もありますがミッション・インポッシブルばりの侵入作戦あり、後半はアクションありでサービス満点の内容でした。でも面白い要素は詰まってるんですがちょっと雑じゃね?と感じる部分がかなりありますな。細かいことを言いだすとキリがないので大雑把に言ってしまいますがこの映画の中で進行する作戦がかなり運任せでずさんだ、ということでしてさらにここという時に都合の良いこと起こりすぎなんですわ。凝ったシチュエーションほどには細部で頭を使ってない感じが少し残念です。それ以上にもったいないと思うのは冒頭主人公が窓の外に出てへりに立って騒ぎになったとたんすぐ過去のパートに入ってしまうこと。そこで主人公の身分やおおよその行動の目的が明かされてしまうのはいかがなもんでしょうか?このパート入れるにしても中盤以降が妥当じゃないですかね。主人公の情報を伏せたままの方が前半の交渉のくだりももっとハラハラするはずだしサスペンスも高まったはずなんですよ。高所でやりとりする緊迫感がだんだんダレてくるのはかなり惜しい。ここはストーリーテリングの点でかなり損しちゃってる気がしました。こういう細かいことが気になるのはこの映画のルックが捻りの効いたサスペンスミステリーぽいからかな?とは思います。むしろ小規模な舞台設定で展開する痛快活劇的に見るのが正しいような気がする。ぶーぶー文句書いてるようで見てる間は楽しみまくりでしたから。テンポと勢いが素晴らしいしその上サービス満点で良作なのは間違いないんです。特に最後の追い込みで主人公にある行動をとらせるところなんかサービス精神わかってんなー!と喝采ものでした。ああいうところはアメリカ映画ならではの良さですな。でもこの作品もう一捻りあって語り口にも配慮があればかなりの傑作になったんじゃないのかなあ。