湿風烟る-返り忠兵衛江戸見聞(2)

湿風烟る-返り忠兵衛江戸見聞(2) (双葉文庫)

湿風烟る-返り忠兵衛江戸見聞(2) (双葉文庫)

町火消しと魚河岸衆の喧嘩仲裁を成し遂げた筧忠兵衛は、密かに定海藩を抜け出て江戸へ来た奥女中紗智になじられながらも、揉めごとの仲裁で得た礼金で江戸での暮らしを立てることになった。蔵宿師の浅井蔵人が暗躍しはじめる一方で、定海藩主の命を受けた御側御用取次神原采女は、姑息な手段を用いて忠兵衛を謀反人として葬ろうとする。書き下ろし長編時代小説、爽快第二弾。

前作読んでかなり間が開いているので話の背景を思い出すのに多少もどかしかったですが2作目もかなり面白い。前作では頼りなさ危なっかしさで冷や冷やした筧忠兵衛ですがずいぶん成長して頼もしくなってきましたね。主人公に魅力あるとやはり引っ張られるし対決に赴く前の熱い台詞は読んでいても男惚れしちゃいますよ。1作目のクライマックスは剣戟なしであれはあれで味があったのですが今回は窮地に自ら飛び込んで大立ち回りが見せ場で、チャンバラが読みたいとこにバッチリの内容でした。まだ固さを感じる部分もあって前半の陰謀を描いていくあたりはちょっと回りくどいかな?とも思うんですけどね、それも巻を追えばこなれてくるんじゃないかと思っています。王道で手堅く娯楽要素が詰まっていて良いシリーズなんじゃないでしょうか。続巻もぼちぼち読んでいきます。