るろうに剣心


今から約140年前――動乱の幕末。 最強の暗殺者と恐れられ、<人斬り抜刀斎>と呼ばれた男がいた。 神より速く、修羅より強い、維新の志士。 一対多数の戦いを得意とし、剣を抜いたら最後、生き残る者はいない。 戦いが終わり、明治という新しい時代が訪れ、抜刀斎は姿を消した。「最強」の伝説だけを残して――。 あれから10年、いまだ乱れた世に現れた、ひとりの男。 斬れない刀=逆刃刀で人を助ける、流浪人・緋村剣心。 もう決して人は殺さない<不殺(ころさず)の誓い>を立てた抜刀斎だった。 大切な人たちが平和に暮らせる時代を作るため、いま剣心の真の戦いが始まる――!

原作コミックは全巻一応既読です。一応、と言わざるを得ないのは読んだのがずいぶん前のことだし全巻一気読みしたもんで内容も一気に忘れてしまってるしなあ。かなり面白かった印象は残ってるんですけどね。面白くないと一気読み出来んだろうし。でも緋村剣心のキャラクターははっきり印象に残っていて佐藤健が漫画のイメージをちゃんと再現していたのがまず良い。ビジュアルを再現していただけでなく殺陣が良いですね!とにかく動けてるしスピードの凄まじさには圧倒されました。一見華奢な感じなのに凄まじい強さが表現できてるのは賞賛ものです。殺陣の場面はおおむね見応えあったと思います。多少漫画を実写化するにあたって無理を感じる部分もなくはなかったですけどね。相楽左之助の振り回す斬馬刀がいくらなんでもデカすぎるわな、とか。たった二人で大人数と戦いすぎだろとか。でもこのへんもなんとかバランスはとろうとしているので許容できるかなと。それに最後の吉川晃司演じる鵜堂刃衛との一騎打ちが素晴らしく、ここはボリュームと工夫があって殺陣を見る醍醐味がありました。で、このまま褒めちぎって終わりにしたいのにそうじゃないのがつらいのよな。この作品浅いエピソードがただ重なっていくだけでストーリーが太い柱になっていかんのだわ。話のセットアップが終わるころ、すでに1時間過ぎてるというのはいくらなんでも遅すぎで問題です。回想的な場面が多い上に説明台詞の連打でかなりクドい。音楽の使い方が型にはまりすぎで単調さが増してしまう。といった案配で展開がタルンタルンですわー、どうも弾まない。語り口や段取りがテキパキしてりゃーなあ、それだけでだいぶ違っただろうにもったいない。30分は刈り込める内容だと思います。それでもこれだけ殺陣に工夫や斬新さのある作品を見れたのは嬉しいんですけどね、漫画の実写映画化としても志の高い映画だと思うし。あーでもやっぱり惜しいわ、これは。

るろうに剣心全28巻 完結セット (ジャンプ・コミックス)

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