さや侍

さや侍 [DVD]

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「鞘(さや)しか持たない侍とその娘、30日間の戦い-。」 とあることがきっかけで、自ら侍として戦うことを拒絶し、刀を捨てた野見勘十郎。 そんな父を軽蔑し反発する娘たえ。二人は行くあてもない流浪の旅を続けていた。 無断で脱藩した罪に問われていた勘十郎には懸賞金が掛けられていた。次第に追い詰められた勘十郎は 遂に捕らわれるのだが、捕まった藩の殿様は相当な変わり者として世に名を馳せていた。 殿様の眼前に連行された勘十郎は、《30日の業》に処されるが、それに成功すると無罪放免になると言う…。

冗長なシーンが多すぎてちょっと困ってもしまいますねー、これ。お話自体が103分支えられるだけのものがないし描くべき枠組みをしっかり描かずバラエティ番組みたいなノリの見世物だけえんえん見せられてもダレるというか。だから出来が良い、とはとても言えないけどいい場面もたくさんあるから好きにはなれる作品ではあります。物哀しい情感はとてもよく出てましたし優しい雰囲気ですね。主演の野見さんは素人のおじさんだそうですが終盤の方はすげーいい芝居してましたな。それだけにもったいないと思うのはなぜ最後に野見勘十郎がああいう行動をとるにいたったか?という理由付けが弱いんでいまいち共感できないこと。そこからのラストシーンへの畳み方はわりと好き、というよりむしろ感動的なほどなんですが深い余韻にいたらなくてそれはなんでかというと前半のお話の枠組みや主人公の背景の描き込み不足だと思うんですよね、やっぱり。