哀しき獣
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延辺朝鮮族自治州でタクシー運転手を営むグナムは借金の取り立てに追われ、韓国に出稼ぎに行った妻とは音信が途絶えていた。借金を返そうと賭博に手を出し逃げ場を失ったグナムに、殺人請負業者ミョンは韓国へ行ってある人間を殺したら借金を帳消しにすると持ちかける。グナムは苦悩の末に、借金を返す為、そして妻に会いたい一心で密航船に乗り黄海を渡る…。しかし、そこで彼を待ち受けていたのは、深奥なる闇だった―。
4章構成の前半2章までは文句なしの面白さ。ザラッとした寒々しい画面に見入ってしまう。語り口に無駄がないし思いきった省略をした上で、いきなり痛々しすぎる暴力描写が来たりするのでビビるし張り詰めた緊迫感がただごとじゃない。マンションでエレベーターが少し遅れたタイミングで動く、という場面があってそれだけのことでもビクッ!!としたもんね。殺しのプロフェッショナルでもないグナムが素人なりに工夫して標的に迫る過程もどこか間抜けなリアルさがあってね、主人公に感情移入しまくりですよ。んで3章以降は嵌められた主人公が逃げつ隠れつしながら真相を追う、という逃亡者的展開になるんですが、ねー。事の真相が人間関係が絡みすぎてわかりにくい。ずっと主人公視点だったのも分断されちゃうのでガタッとテンションが落ちちゃうんだな。やっぱり誰が何の目的でどうしたい、ってことがダイレクトに伝わってこないとサスペンスって弱まりますねえ。最初チンピラにしか見えなかったグナムがギリギリの逃走劇を通して飢えた狼みたいになっていくとこかなりいいんだけどなあ。それ以上に闇社会のボス役のキム・ユンソクの怪演が強烈でさー、完全に主役食っちゃってました。なんなんだよあのオッサン。刺されても刺されても死なんし牛骨で人殴り殺すって原始人か?見てる方も原初的恐怖味わったぞ。ま、まとまりで考えるとバランス悪すぎる映画ではありますが演出で抑えきれないほどの強烈なエネルギーがあるんでしょうね。見どころ言えばたくさんあるし、で。特に3章の走って逃げまわって格闘してさらにカーチェイスのシークエンスは見てる方も体力が要るぐらいでハァハァしました。韓国映画はこれまでシュリとオールド・ボーイしか見たことなかったので今後は視野に入れてもっと鑑賞するといたします。
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